俺様男に効くクスリ
「運ぶなら一人でやるな。なんでオレかあいつらを呼ばねーんだよ」
オレが見下ろして言うと、一花はもじもじしながら小さく言った。
「だって…、一人でやったら、またいっちゃんが誉めてくれるかなって思ったから…」
「はー!?」
なんだそりゃ!
だからってまたこけて資料バラバラにされたら誉めるどころか…
「うぅ…ごめん…」
オレがでかい声で叫んだせいで、一花はビビって縮んでいく。
それを見たオレは、また胸が詰まるような、いっぱいになるような……
あぁ、そうか。
さっき炭酸飲んだからだな。
「そんなんで無理するな。怪我したら誉めるどころか怒るからな!」
「はぃ…」
オレがその荷物を取り上げると、とぼとぼ歩きながら一花はオレの後ろを付いてくる。
そんな姿は、やっぱり炭酸のせいでオレの胸をぎゅっとさせた。