最後の夏休み~運命の日まで~
8月2日
朝だ。

とてつもなく長い夜だった気がする。

私のベッドを見てみると、かなこちゃんはいなかった。
リビングからいい匂いがしてくる。
かなこちゃんは朝ごはんの準備をしてくれているみたいだ。
私はこういう朝が来てくれたことに、涙すら覚える。
親がいないだけあって、朝ごはんはいつもトースト1枚だけなどそういうことばっかりだ。
こういう事があるとかなこちゃんが私の中でどれだけ大きく関係しているかがわかる。

私はリビングへ行きかなこちゃんにおはようとあいさつした。
あいかわらずかなこちゃんは大きな笑顔で私に挨拶してくれた。
しかし、その笑顔を作る前に少し慌てたような顔をしてたのは、気づかないことにしておこう。
そうじゃないと、私の心が持たない。
あの悪夢のような夢みたいに皆が遠ざかって行くのは私にとってはまさに、「死ぬ」と言ってもいいくらいだ。
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