スイーツ男子
「あっ!お守り見てもいい?
里奈ねぇさんと真田くんにいいのないかなー?!」
うーんいろんなお守りあるんだなー。
どれにしよう…
よしこれだ!
あれ???廣田くんがいない。
あっ!発見!!女子にナンパされてるし…
…改めて思うけど、廣田くん。
いっその事アイドルになったらいいのに…
アイドル級だよね。そもそも廣田くんと同じ空気を吸っていいはずがない私が隣で一緒にいること自体間違えで…このまま消えていなくなりたいな…
廣田くんを囲むナンパ女子がもし私に気がついたら、
何あのブス女ーー
とかって言われてしまうのだろう…。
気がつかれないうちに、
いまのうちに逃げようかな…
廣田くんを背に、神社の外に向かって一歩足を前に出した瞬間、後ろから廣田くんが駆け寄る足音と声が聞こえた。
「おい!買えたのか?」
「へぇ?あっ買えたよ!じゃん!
縁結びのお守り!!!はいこれ!」
あそこでもし、廣田くんから逃げたら、
きっと優しい廣田くんは私を探していたはずだ。
最低なことをしようとした自分を恥ずかしく思う。そんな自分に気がつかれまいと、調子よく振る舞う私は、お守りを廣田くんに渡した。
そんな廣田くんは、お守りを見て、驚いた顔をしている…。
ばれたかな??それともいやだったかな…
「…縁結び?真田にあげんのか?」
なんでここで真田くんがでて来るのかよく分からない!!廣田くんに手渡したのに!!
「違います!これは廣田くんにです!!」
「…なんで縁結びなんだよ?」
「だって、
美味しいスィーツと出会えるようにって
ことで、縁結び!」
「……あんたさ…やっぱバカ?」
なっ!バカ…
誠心誠意を込めて渡したお守りに対して、
バカ
…ひどすぎます!私がバカなのは確かですが、
あまりにもひどすぎやしませんか?
「…まっいいや。ありがとな。
喜んでもらっとく。
あんたのは買わなかったのか?」
「うん。何買えばいいか分かんなくて…」
「待ってろ」