スイーツ男子

ぎゅっ。
こんなことしか思いつかなくて…

タケルに抱きついた。きつくきつく、
今にも何かが崩れてしまいそうな弱い体を崩れないようにしっかりと掴んで…

私の頬にはタケルの目から出る
生ぬるい濡れた液体が伝り
次第にタケルの呼吸が乱れ、
その呼吸に合わせてヒクヒクと動く体を
私は必死に受け止めた。

…ここまでタケルを苦しめているものって…
ここから見えるタケルの家のリビングを見れば、
家族に何かがあったことは一目瞭然だ。


ここにあったはずの家族写真も、
あそこにあったはずのソファも…ない
あるのは段ボールばかり…
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