ナガレダスオンガク


「ち…ぇ…」



私はうまく声が出なかった…



喋るたびに血を吐き出しそうだった…



「アハハハ!」



千恵の笑いが沈黙の間に響く…



走や亮は立ちすくんだまま動かない



当たり前だ、親友が元凶だったら誰でもそうなる…



「な、んでだよ」


亮がポツリと呟く



「俺達を襲ったのはおまえかよ!なんで!?親友だったろ!?」



抑え切れない怒りが爆発した亮が千恵に向かってそう叫ぶ



「アハハハ!まだ信じてたの!?あれ、全部うそ!アハハハ」



「ま…さか…最初…から」



私途切れ途切れに尋ねる



「まぁね、最初からこうするつもりだったんだよねぇ」


ニヤニヤ笑いながら千恵は私の腹から手を抜き取る…



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