特別課外刑事部 -五人の刑事-
「あなた達、仲良すぎよ。勘違いするわ」
「オレも菜々子さんに同意。というか胡桃、康さんと付き合っているのか?」
秀背の言葉にリーダーも菜々子も康と胡桃をジッと目線をきつく送るが康も胡桃も否定した。
「胡桃は妹のような感じだよ。実際に妹がいるし」
「え、康さんに妹?」
「あれ、秀星は話してなかったっけ」
「知らないですよ!リーダーや菜々子さんも知りませんよね」
残念ながらリーダーも菜々子も知っていた。ちなみに胡桃は知らなかった。
特課部に入社してからずっとあのような感じだったので気にはしていなかったけれど妹がいるなら心配性に納得がいくと呑気に思っていた。
リーダーと菜々子は康の個人ファイルを見た事があるため家族関係を把握していたし康自ら話していた。
「はぁ…」
秀星の勘違いにため息を吐きながら胡桃はある一つの資料に目がいった。
アルカナが地球に突然現れたのは十三年前。テレビや新聞で大きく取り上げられていた。胡桃はその頃三才。胡桃がアルカナを実際に目にしたのは特課部に入ってからだ。
今まで遭遇しなかった事が奇跡ともいえるだろう