特別課外刑事部 -五人の刑事-
「胡桃、気休めにコーヒーでも飲むか?っあ、お前は紅茶派だったな」
「ありがとうございますリーダー。私コーヒーも飲めますよ?」
資料を読みながら胡桃はリーダーからコーヒーが入ったカップを受け取った。
とある科学者が十三年前に現れたアルカナに命懸けで触れ、三年の月日をかけて十年前にアルカナに対応できる武器を開発。
アルカナを倒すために同化を恐れずに行った開発。
きっと沢山の犠牲者が出たのではないかと思う。
その後、武器に適応し、アルカナに同化されにくい人を見つけ出し特課部を開設。
そういえば特課部の試験を受けた時に胡桃は拳銃を軽々と持っていたが、それは適性があるからであり、無い人が持つとかなりの体力が消耗される。
そもそも、とある科学者とは誰なのだろうか?名前ぐらい資料に載っていてもおかしくはないはず。寧ろ開発者は載ると思うのだが…
「あの、菜々子さん。拳銃を開発した人って誰か知っていますか?どこにも名前が書いてないので」
「私も知らないわ。リーダーも」
「つまり私達って、通信だけのボスと警察の偉いさんの言葉一つで動いているって事ですか?」
「まぁ、そういう事になるわね」