特別課外刑事部 -五人の刑事-
何で今まで気づかなかったのだろうかと胡桃は思った。特課部の一員として三カ月は経っているのにも関わらず。
「それにしても魔術師ときて次はどんなアルカナが来るのかな?十三年前から現れているのにまだ消えないって変」
「あのな、アルカナは二十二体いるって言われているだろ?それに、いつ出てくるかわからない奴らだから時間と月日がかかる」
「秀星くん、なんか余裕な感じする」
「別に。来たら倒す、それだけだ」
本当にそれだけだろうか?にやりと笑う顔とは裏腹に怒りを胡桃は感じた。
アルカナに対して何かあるのだろうか?でも胡桃は秀星に聞く事はできなかった。
「胡桃、アルカナは一組七十八枚のうち、二重二枚を構成している事は知っているよね。そのうち倒せているのはまだ少ない。全く来ない時もあれば来る時もある。逃げられる時も」
「康くんは逃げられた事…」
「あるよ、まだリーダーと二人だけの時は逃げられてばかりだった。でも今は五人。戦力はある」
「康くん」