特別課外刑事部 -五人の刑事-
包み込むような優しい眼差しは女の子を虜にしてしまうのでは…と考えてしまう。
胡桃はその虜になるのかならないのかはわからないが、そう考えていられなかった。
腕時計型通信機が鳴りだし、モニターが映し出された。
アルカナが現れた。その場所は
「ここって繁華街ですよね。カラオケとか居酒屋とか沢山ありますよね。派手な店も多いとか」
「お前、まさかと思うが普段から繁華街に…」
「行かないよ。父から聞いた事があるだけだよ。何でそんなに秀星くん驚いているの?」
「あ、いや…その」
秀星くんは胡桃から目をそらした。そういう事をされると気になる主義の胡桃は秀星と目を合わそうとする。
しかし胡桃はふと不思議に思った。みんなが嫌そうな顔をしているからだ。まるで小学校に入学したばかりでお母さんから離れたくなくて学校に行きたくないような表情。
「皆さん?行きますよ」
対アルカナの拳銃を携帯し行く準備を整えた胡桃を四人は一斉に止めた。
どうして止められるのかわからない胡桃は首を傾げた。
でもよくよく考えてみると胡桃の格好は高校の制服のまま。
夕方の繁華街は不良が入り浸る危ない場所でもある。
低身長でしかも高校生という胡桃の容姿に不良どもは声をかけるだろう。
そういう時はお巡りさんに助けてもらえばいい話だが、補導されかねない。胡桃は刑事だが高校生でもある。
だから皆胡桃を止めに入った…というわけではない。
本当の理由は別にあったのだ。