特別課外刑事部 -五人の刑事-
引き金を引いた胡桃
拳銃からでた針は菜々子さんに当たり、菜々子さんは気を失った。
「胡桃、菜々子に麻酔針を撃ったの?」
「はい、康くん…」
胡桃と康くんは三人の所へ駆け寄った。
「菜々子を撃ったのはどっちだ?」
「私です。リーダー」
「そうか。良い判断だ」
正直『他に方法は無かったのか!』って言われると思ったんだけど褒められて良かった。ひとまず安心。
「しっかしこの廃墟、完全にアルカナに支配されてますよね。入った瞬間みんなバラバラ。つか、康さん頬っぺたどうしたんすか?」
ギクッ!?
「角にぶつかっただけ。秀星は気にしなくていいよ」
ホッ!
「そうっすか。でも心配したんですよ?オレとリーダーは直ぐに合流できたんですけど、みんなと連絡がとれなくてどうしよう…って思ったら菜々子さんが居て、助かったぁって思ったら色気っすよ!あ ぁ携帯で録画するべきでしたね」
「そんなことしたら菜々子さんに銃殺されるよ、秀星くん」
「女のお前には男のロマンが、わからないからな~」
「それじゃあリーダーと康くんはどうなるの??」
私の問いに二人ともそっぽ向いた。
ゲスだ。
この男子メンバーゲスだ!!
はぁ、あれはきっと菜々子さんの中では黒歴史になるだろうなぁ。菜々子自身が覚えてないことを祈っておこう。
「それにしてもアルカナの気配が無いな。今度こそ二手に分かれよう。胡桃は菜々子を連れて外に出てろ」
「了解です。リーダー」
私は菜々子さんを持ち上げ…かるっ!思ったより軽かった。
というか早く外に出ないと、また精神攻撃を受けて撹乱されてしまう。そんな事あってはならない。