特別課外刑事部 -五人の刑事-
第二章 戦車のアルカナ
「えーーー!!今日の占い最悪~大切にしているものを失うかもしれません…だってさ。テンションただ下がりますぅ」
「つか、無くす物とかあるわけ?学校休みなのにさ」
秀星の発言にデスクにおデコを付けていた胡桃はハッと顔を上げた。
「そうじゃん!今日は学校休みだった。ってことは仕事場で何か無くすのかな?」
私は占いを信じる方。でもとある雑誌の占いしか信じ無い主義!!
テレビだとみんなバラバラだから信用性に欠けるよ。
「っていうか、リーダーはさっきからモニターで何をチェックしてるんですか?」
デスクワークを欠かさず毎日行うリーダーが珍しくモニターばかり見ていた。
「あぁ、少し気になるんだ」
リーダーがモニターでチェックしているのは今巷で広がっている暴力事件。被害者は男女関係無しに襲われている。被害が出る時間は夕方から夜が明けるまで。
「犯人像は男かもしれない…って微妙な証言ですね」
「胡桃の言う通り、男だったら直ぐにわかるのに、かもしれないって微妙だよな!」
ぉお!!いつもなら合わない秀星と胡桃の意見が珍しく合った。
「そもそも、この事件って関係あるんですか?私たちの部と。警察捜査一課三係が担当する内容だと思いますけど…」
「アルカナは人を襲う。仮にアルカナが人に変化していたらどうする?もしくは人間の中に入り込み犯行を行わせる」
「え、リーダーまさか、アルカナってそんな事まで出来るんですか?」
リーダーの話に私は食いついた
「アルカナ対応の武器を使うためにはアルカナと接触する必要があった。その時に同化されそうになったという記録がある」
「本当、命懸けですよね」
人間になりすまして人間を襲うなんて…いつの時代の考えよ。
金、欲、地位のためなら人間は争っていた。でも今はそんな時代じゃない。
アルカナって人間を理解できていないんじゃないかな?しようとしてるとも思えないけれど…。
というか知識がない。
「念のため菜々子と康には聞き取り調査をしてもらっている。カウンセリングも込めてな」
「あ、だからオレとリーダーと胡桃だけで、菜々子さんと康さんはいなかったんすね」
康くんと菜々子さんがいないだけで本部ってこんなに広く感じるなぁ。
「…ん?」