特別課外刑事部 -五人の刑事-
大好きな音楽を聴きながら約束の場所へ向かっていると…
っあ、大介発見!!
シンボルとも言われている噴水の近くに幼なじみの大介がいて胡桃は駆け寄った。
「大介!」
「胡桃、ほんとに来てくれたんだ」
「え、来ないって考えてたわけ?酷いなぁ」
「いや。来る途中に号令がかかるんじゃないかって思ったんだよ」
「その時はちゃんと連絡するよ」
あ、でもせっかく誘ってくれたのに特別課外刑事部の制服で来るのは悪かったかもしれない。
制服といってもスーツなんだけどね。一応刑事だからそれ相応の服装じゃないといけない。
大介はちゃんと男らしくオシャレしてきているのに…何か恥ずかしい!!
「胡桃は、どっか行きたいところある?」
「そうだね。映画とかは?この頃行ってなかったんだよね〜」
「良いけど大丈夫?もしもの時」
「大丈夫!バイブに設定しておくから、あの煩い音は出ないよ」
「それじゃあ、行こうか」
レムリアンモールはショッピングもできるし映画館やゲームセンターもある。
よりどりみどりということ。
「今の時間だとミステリーか純愛かホラーだね。ということは…必然的に」
「胡桃の苦手なホラーに決定」
「っえ!何でホラー?普通ミステリーか純愛だよね!?」
「胡桃の怖がりは変わらないね」
「…っう……」
胡桃がホラー映画が苦手な事を知っていてわざと大介はホラーに決めた。
「それでよく特別課外刑事部に就けてる事が不思議だよ。でも、まぁ服装を見たら本当に胡桃は…」
「…大介?」
「よし、チケット買ってくる。僕の奢りだからホラーで文句言わないでよ」
「っう、大介の意地悪!!」
優しかったり意地悪だったり
意味がわからない。
でも、そんな大介を嫌いになれないのは幼なじみだからかな?
「はぁ…」
映画が始まる約二時間。胡桃は怯えていけないといけない悲しい時間になりました。