特別課外刑事部 -五人の刑事-
アルカナは全てが同じ形とは限らない。またタロットカードのアルカナと絵が似ているだけで全てが同じではない。
「菜々子、任務から戻りました」
「ご苦労様。戻ってきてすぐに悪いがそっちの状況はどうだったか教えてほしい」
モニターから目を離しリーダーはまっすぐと菜々子を見ていた
菜々子は康と同じように疲れたかのような溜め息をつきながらデスクにある椅子に座った。
「上は中々頭の固い人ばかりのようです。アルカナとは関係ないと思っているのでしょうね」
「すまない。辛い仕事を任せた」
「構いません。カウンセリングによると、やはり男らしき人に襲われたそうです。複数ではなく単独犯。しかし妙な事を言っていました」
「妙なこと?」
康もリーダーも首をかしげる
「襲ってくるのですけど途中でやめたりもするそうです。まるで誰かと話してるかのような…」
「…二重人格か」
リーダーは再びモニターを見て被害者リストと現場周辺を見始めた。
「現場はそほど遠くない、にも関わらず誰にも見つからずか…」
「それと、これは女の子が話していた事なんですけど…」
菜々子は話そうか悩んでいる表情をしているが、リーダーの目を見てしっかりと話し出した。
「三日前に襲われたのは四十代の女性なんですが娘ずれだったらしく、その女の子は軽い怪我で済んたんですけど【お兄ちゃん】って言ったんですよ」
「「お兄ちゃん??」」
「ということは若者が犯人か」
「あ、あと…棒とかワンワンとか言ってました」
「棒にワンワン?」
まさに訳がわからない
だけどアルカナと関連があるなら
「戦車だな」
リーダーの言葉に康も菜々子も頷き直ぐさま秀星と胡桃に知らせるとした。