特別課外刑事部 -五人の刑事-
胡桃の目の前にいるのは、つい昼間まで一緒にいた大介がいた。
でも、胡桃の知ってる大介じゃない。金色の杖に瞳の色も金色。
「大介、何で!!」
胡桃の声など届かず戦車のアルカナに同化された大介は私に杖を降り続ける。
大介は剣道部に所属しているから胡桃には不利な状況。
他の場所からは犬の鳴き声が聞こえる。リーダー達が相手にしているんだろうけど、きっとてこずっている。戦車のアルカナに仕える犬は皇帝に仕える犬でもある。
犬までもが同化されているならタダでは終わらない。
「…大介っ!」
どうして気づいてあげられなかったんだろう。右腕を怪我している時点で何かわかったかもしれないのに
「私…私はっ!」
未だ襲ってくる大介に胡桃は…
「…いいよ。もう」
カチンっと拳銃を道路に落とした
その瞬間ーー
「グハッ…っ…だい…すけ」
大介は私の左肩に杖を叩きつけて、その強さと痛さに耐えられなかった私は地面に膝をついた。
そのあとも何度も何度も大介は金色の杖で私を叩きつけた。
私には、撃てない
撃ってしまえばアルカナに同化されている大介はクリスタルによって散っていく
「…っだ…すけ」
意識が薄れていく…
頭を殴られたら終わりだろう
もう、ダメだ。
胡桃は目を閉じた…。
でも、痛みは来なかった。