特別課外刑事部 -五人の刑事-
そして、リビングにて…
「ごめん秀星くん、待ったよね?」
「………………」
うわぁ、その沈黙、痛い
「お前は、馬鹿か!!」
「え!?」
久しぶり会った秀星の第一声の言葉に胡桃は目を見開いた。
「部屋に籠って目真っ赤に腫らして寝間着姿かと思ってたのに風呂入ってるとか、何やってんだよ!!」
「いや、その…気分転換?」
「つか服着ろ!バスローブって何だよ誘ってんのかよ違うだろ!!」
「仕方ないじゃん。というかお風呂上がりにバスローブ姿はいつもの事だから」
何だろう、何で喧嘩してるんだろ?
「はぁ。ったく元気じゃねーかよ」
「え、心配してくれてたの?」
「別に…。あんなにガキの様に泣いてたくせにケロッとしてるとかマジおかしいだろう」
「だって、いつまでも引きずっていられないしさ。大介のためにもならない」
泣いていた事は本当だけど。
「…胡桃」
気にしていないわけがない。かといって無理やり元気ってわけでもない。無理はしていないって捉えて良いのだろうか?と秀星は思ってしまった。
「そりゃ大介を撃ったその日や次の日は涙が止まらなかったよ。でも、大介ね最後に言ったの『ありがとう』ってね」
その場にいなかった人にはわからないあの日の状況
「苦しんだはずなのに笑顔でお礼言われたんだよ?だったら立ち止まるわけにはいかないじゃん」
「だったら、何で無断欠勤、音信不通にしてたんだよ」
「それは…」
私は秀星くんから目を逸らし近くにいた爺やに目を向けた。
「私、悪くないよね爺や。あれは全部お母さんとお父さんが…」
「そうでございますね」