特別課外刑事部 -五人の刑事-
「携帯も腕時計型通信機も全部両親から没収されたんだよ。家から出してもらえなくて…まぁ学校は車で行ってたんだけど」
「は?何じゃそりゃ。まるで監禁じゃねーかよ」
「いや監禁とは違うんだけど、ほら…見ての通り私が住んでる家って大きいでしょう?爺やがいるぐらいだし」
「まぁ、確かにデカい家だとは思ってたが、胡桃んちって金持ちってことか」
「お父さんは議員秘書でお母さんは編集者。そして大介の家もそれなりに名門の家庭でね」
私は溜息をついた。
隠してきたつもりはないけれど今まで話さなかった事に罪悪感が…。
「大介が亡くなった原因って世間では水難事故で遺体が見つからず…って事になってるけど実際はアルカナに同化され私が撃った事による死。そんな死に方…名門家系に傷をつけるっていう考えたらしくてね」
「何だよ、それって親のする事かよ」
「しかも撃ったのは私だから葬儀に行きたくても行けなかったのよ。マスコミもいたし。どこから情報が漏れるかわからかい。アルカナを倒すのが私の仕事だから同化された大介を撃った事は罪にはならないけど世間はどう思うかはわからない。だから私は家から出れなかったし連絡も出来なかったのよ」
「いかれてるな」
「仕方ないよ。そういう家庭に生まれてきちゃったんだからさ。だから家で自由にのんびり過ごしてたってわけ。わかった??」
「わかったけどよ…。お前このままだとクビだぞ」
「……え…」
クビにされる?
特別課外刑事部を?
そんなの…
イヤー!!!
憧れていた刑事に一応今年になってなれたのにクビにされるだなんて…