特別課外刑事部 -五人の刑事-
「必死だな」
「必死になるよ!」
クビになりかけているなら家でのんびりなんてしてなかったよ!!
「しかしお嬢様、我が家には色んな箇所に監視カメラがございます。旦那様や奥様に知られてしまう可能性が」
「えっ!監視カメラ?まさか盗聴器とかあったりしないよね!?」
胡桃はまるで監視対象者だ…
というか爺や黙ってるということは秀星の話を聞かれ、しかも録画され、ダビングされてる?
「仕方ない。こうなったら家出だ!!」
「いけませんよお嬢様!家出などなされたら捜索願いが出される事態になってしまいます」
「だったら素直にクビになれってこと?特別課外刑事部は念願の夢である刑事としての身分が与えられるのに!」
「刑事にこだわらないで下さいませ。お嬢様にはいかなる可能性を秘めていらっしゃるのやもしれません。しかしながら今言えを出ることは叶わない事です。ご辛抱ください」
「む~」
こうなったら…従うしかない。
だからこそ
「秀星くん!本部に戻ったらリーダーにちゃんと伝えてよ!今の私の状況を」
「わかってる。つか嫌ほどわかった。やっぱり胡桃はガキだな」
「何だと!」
「何で許せちゃうかな…アルカナを」
「へ?」
いきなり話が、ずずずずーと前の話に戻ってる。
「オレの家族はアルカナに殺された。だから特別課外刑事部に入ったし、幼なじみをアルカナで亡くしたお前の気持ち、誰よりもわかるはずだったけど違ったな。お前はガキで…しかも前だけ見てるよ」
そう言って秀星はリビングを後にした。
爺やが見送りに行ったからリビングには胡桃一人。
「幼なじみと家族は違うよ。秀星くん」