特別課外刑事部 -五人の刑事-


授業にはついていけてるから良いけれど、つくづく思う。


胡桃には友達がいなかった。


あ、この学校には…の話

だから特課部の号令がかかって早退した時の授業の内容がサッパリわからない。


そのため、胡桃なりに予習復習しているけれどあまり期待していいようなものではない。


たまに、『早退した分のノート良かったら見せましょうか?』って人もいるけど言い方と表情が上から目線!!


胡桃は議員秘書と編集者の娘だけど上には上がいる。


「それではこの英文を胡桃さん、読み上げて下さい」


「はい」


そう返事をしてから席を立って胡桃は英文を読み上げようとした…その時


ピピピッ ピピピッ

《すまない、来てくれ。》


腕時計型通信機によりリーダーから号令がかかりました。


言うの忘れていたけれど胡桃は首を免れて無事に復帰できた。


秀星がリーダーに事の状況を説明してくれて、クビにはならずに済んで、親も胡桃の特課部に対する思いが伝わったのか携帯も腕時計型通信機も返してくれたのだ。


本当に良かった。

それよりも…


「授業を止めてしまい申し訳ありません。特別課外刑事部からの連絡により早退させていただきます」


本当は走って本部に向かいたいところだけど、教室ではみんなが見てる。優雅にお淑やかにしないといけない。


元気な性格である胡桃にとっては苦痛でしかない。


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