特別課外刑事部 -五人の刑事-
「ミステリー作家の城田渚氏の結婚披露宴パーティーだよ。相手の名前は伏せてあるようだけど有名女優…瀬多ゆかり…だろうね、きっと」
胡桃は、どちらとも耳にタコができるほど聞いた事がある二人だった。編集者である胡桃の母が二人をよく調べていたし二人のスクープを撮ったのも母である
「リーダー今日はとりあえず周辺を調べるだけにしておきますか?胡桃はその辺のところ詳しいようですし」
菜々子が思っているほど胡桃は詳しくなかったりするのだが、それなりに知って入るため口を挟まなかった。
「問題はアルカナが今日また現れるか明日なのかがわからない」
「外なら問題ないですが会場内となると厄介ですね。招待状がない限り入れないようでしょうし特課部としての立場を利用することも不可能でしょう」
「菜々子の言う通りだな。人間が油断しているところを狙ってアルカナは現れるが、警備として…でも通用はしないだろうな」
………。
リーダーと菜々子は悩んでいるが康と秀星は胡桃をジーッと見ている。
情報収集が得意な康は胡桃の家庭を知っているだろうし秀星にはこの前家に訪問して来た時に教えた。
二人の視線は胡桃に発言しろ…っと言ってるみたいなものだった。
「あの、リーダー」
「何だ?胡桃」
「会場に入ることは一応できますよ」
そう言うとリーダーと菜々子はそういえば…と呟き納得したようだった
特別課外刑事部の面接の時に面接官だったリーダーと菜々子は履歴書を見ていたし、家庭内についての質問もされた。
本来なら家庭内の事は面接で聞くのは禁じられているが特課部の場合、刑事になる事に親が理解を示しているかどうか確かめるためだった。
「私の母は編集者で二人をスクープした張本人ですが、それは城田氏から許可をもらって掲載したようなので招待状が届くはずです。恐らく同伴者として皆さんを会場に入れることはできるかもしれません」