特別課外刑事部 -五人の刑事-


塔のアルカナ?

これはヤバイと胡桃は思った。


「なぁ胡桃、塔のアルカナって正位置でも逆位置でも良くないアルカナだよな?」


「確か十六番目のアルカナ。いずれもネガティヴなアルカナだよ。悲嘆・災難・不名誉・転落。それに塔のアルカナの絵は…」


「「火の家だ/よ」」


ハッと胡桃と秀星が振り向くと、いつの間にかリーダーと菜々子がいた。


「この会場を乗っ取ってなければいいんだが…乗っ取られていた場合は今すぐにでも避難した方がいいが、この人数だ。それにアルカナがここにいるのか確証がない」


リーダーの言う通りだ。確証がない以上パーティーを中止させる事はできない。


塔のアルカナが姿を消す事が可能ならば、なおさら胡桃たちにはどうしようもできなかった。


そう思っていると…

ドドドドドッと何かが響く不気味な音がし出した。


そして、その瞬間

会場内がガタガタガタガタッ!!と揺れだした。


「なにこれ、地震??」


会場内に置いてあるものが次々と床に落ちていき、シャンデリアもいつ落ちてもおかしくないような揺れ。


悲鳴が聞こえる

ただの地震にしては何かがおかしい


「頭を伏せろ!!」


と、秀星無理やりしゃがみこまされた。でもそれだけじゃなくて胡桃を抱きしめるようにして守ってくれている。


「揺れがおさまるまで動けない」


「当たり前だろ!逃げれるような揺れじゃねぇ!!」


しかし、胡桃たちのように床に伏せて頭を守っている人もいれば、揺れなど気にせず必死で逃げていく人もいる。


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