特別課外刑事部 -五人の刑事-
マスコミ関係者は今のこの状況を報道しているけれど、危険と隣り合わせになっている事をわかっているだろうか。
「っあ、康くん…」
《こちら胡桃です。無事ですか!?応答して下さい》
《こちら康。大丈夫だよ胡桃…でもこの地震おかしいんだ》
《おかしいって、なにが…》
そう聞こうとしたけど、まだ揺れが落ち着いてないのに逃げ出していく招待客たちが、また悲鳴をあげた。
「火事よ!逃げてー!!」
その悲鳴に胡桃たちは揺れに耐えながら立ち上がった。
「火事って一体どこから…まさかキッチン。何かに引火したとしか」
「リーダー煙が…。もう揺れが無くなるのを待つわけにはいきません。このままだと…一酸化中毒で」
本当にこれは、ただの地震からの火事なの?それともアルカナの仕業?今のこの状況だけじゃわからない。
しかし胡桃は、さっき康がこの地震おかしいって言っていた言葉が気になっていた。
「リーダー!アルカナの仕業です。この会場乗っ取られてます!!」
とにかく特課部として、するべき事をしないといけない。
「我々は特別課外刑事部です。女性の方はヒールなどを脱ぎ逃げやすい体制をとってください!!我々が誘導しまし!!」
リーダーは司会席にあったマイクを持ち大声で特課部の手帳を見せた。
「報道関係者もカメラを置き逃げてください!!命を最優先に!!」
「お子さんの手を離さないで下さい!!」
警察や消防隊がくるのには、まだ時間がかかる。特課部のメンバーで何とかしないといけなかった。
でも招待客を逃がすだけで終わらしてはいけない。アルカナを見つけ出して倒すのが本来の仕事。