特別課外刑事部 -五人の刑事-
だけど、康が怒るのも当然だった。胡桃は会場内の見取り図を詳しく覚えていたからアルカナ退治に行くとリーダーに言った。
あの時、胡桃が言わなかったらリーダーが言っていたかもしれない。
胡桃は誘導を任せられたのかもしれない。だけど直ぐに言葉にしたのは胡桃自身であって、自業自得な状態って言ったら正しい。
あのままアルカナを放っていたらアルカナによって会場はガジャンッ!と潰れてたはず。
それに、会場を乗っ取っていたとわかった時点でアルカナは逃げたりしない
塔のアルカナとの戦いは当たり前だけどアトラクションより酷かった。
被害が出た会場の修理費ってどうなるのかな?特別課外刑事部が負担だったりしてたりして…
さすがに、どうしようって思う
自分のせいにしろアルカナのせいにしろ会場が大きかった分、修理費なんて馬鹿にならない。
「あら、思ったよりも顔色が良いですね」
ふと、誰かに話しかけられたと思ったらお医者さんだった。隣には看護師がいて胡桃の点滴を交換し始める。
「気分はどうですか?苦しかったりしませんか?」
「大丈夫です」
「それでは酸素マスクは明日取り外しますね。色々と検査もしますので退院はまだ先になります」
「そうですか…」
学校も休まないといけない
はぁ、休んだ分の授業を取り戻すのに苦労しそうだ。早退より辛い現実。
「胡桃さんや康さんの活躍に会場にいた皆様は感謝していらっしゃいましたよ。御礼の品が届けられてるくらいですから」
それって、お見舞いの品?
ここに搬送されてること世間に知られてるって事だよね。でもあの場に報道陣もいたから仕方ないのかな…
「あまりにも多かったものですから仕事場の方へ運ばせていただきました」
「な、なんかすみません」
「いえいえ…」
とにかく、早く退院したい。