特別課外刑事部 -五人の刑事-


「別に僕は困らないけど胡桃は大丈夫?親の仕事に影響とかは…」


「わからないです。それに私これ今初めて知りましたから何とも言えないです、というか康くんは何で困らないんですか?」


「胡桃だからかな?」

「意味わかりません!!」


胡桃は雑誌をゴミ箱に捨てた。

根の葉もないこと書くなんて…。


愛のある戦いって、意味のわからないことを書くなんて…まるで小学生の作文のように思えた。


「今でもまだメディアに大きく報道されてるんだぜ?あの日のことを。胡桃が今日から復帰だからなおさら、振り返りみたいにテレビに映し出されるだろうな」


秀星の言葉に胡桃は脱力したかのように自分のデスクに顔をうつ伏せた。


「リーダー、ほとぼりが冷めるまで私出勤しないほうがいいですか?」


「残念だがしばらくは冷めないだろうから出勤しようがしないが関係ないだろう。今まで特課部は人目がつかないような場所で活動していたから、公の場でアルカナを倒したんだ。俺たちのことを色々とかぎ回れる事を覚悟しておかなければならない」


「そんな~」


「しかし問題なのが”上”だ」


「へ?」


キョトンとする胡桃にリーダーはリモコンで映像を切り替えた。


そこには特別課外刑事部を立ち上げた人が映っており、いつ会見したのかわからないけれど特別課外刑事部を大きく評価している映像だった。


「俺たちはあくまでアルカナを倒すための刑事であって、警察学校に通い訓練を受けた刑事とは違うはずだったんだが、この機会に俺たちを本当の刑事にしようとしているんだ」


「ちょっと待って下さいよ。それって、私たちにメリットがあるかのように聞こえますけど、要するにこの人が注目されたいだけなんじゃ…」


「だろうね。僕らの功績が讃えられれば、特課部を立ち上げたこの人の地位は上がる」


結局、自分が可愛いだけで自分の地位を高くしたいだけの傲慢刑事じゃん


「リーダーはどう考えてるんですか?」


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