特別課外刑事部 -五人の刑事-


本当ならリーダーよりも地位が上のボスからの意見を聞きたいところだけど、ボスはどこにいるかわからないし、連絡こっちからとれないし。


イライラしてくる


「俺は今まで通りアルカナを倒していく。今さら刑事になるつもりはない…それだけだ」


「それだとアルカナ全部倒した後リーダーはどうするつもりなんすか?正直、刑事にしてもらえるならラッキーといえばラッキーだとオレは思いますけど?再就職しやずに済みますし」


そういう問題か!って秀星にツッコミを入れようとしたけれど一理あるからなんとも言えない


でも、何か嬉しくない。


「秀星が言うように、アルカナを倒せば俺たちのすべき事は無くなる。だが、俺は刑事を目指していたわけじゃない…だから断る」


リーダーの強い意志はみんなに伝わっているだろう。リーダーはあくまでもアルカナを倒す刑事でありたいということに。


「ですが、決まってしまえば逆らえないのではないですか?もし断ればリーダーの身が危なくなるのでは?」


菜々子が心配そうにリーダーに問いかけた。


「それは問題ないだろう。アルカナを倒せるのは俺たちだけだ」


「リーダーがクビになって特課部が人手不足になってアルカナを倒せなくなったら困るのは世間だしね」


康の言う通り。上はろくに訓練を受けていない胡桃たちを刑事にする事を拒んだとしてもアルカナを倒せるのは今ここにいる特課部のメンバーだけ。


簡単にクビにしたりはできないし本部を無くしたりはできないはず。


「恐らく、個人宛に契約書が何かが届くだろう。刑事になるかどうかは自分達で決めるといい。確かに再就職に至っては楽だからな」


リーダーは断るんだろう。


胡桃は自分はどうしようか悩んだ。


身長関係無しに刑事になれることが出来る本部があると知って、胡桃は特課部ね試験を受けた。


それは”刑事”に憧れていたから。


もし、決定して契約書が届いた時にサインしていいのかな?


刑事には前々から身長制限があった。それなのに注目されたからって規定を無視するなんて…


それに私は特課部の刑事として誇りに思っている。だから私は特課部の刑事でありたい。


決めるのは自分自身

契約書が届いたら暖炉で燃すか

うん。それがいい!!

証拠隠滅…


それよりも…


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