特別課外刑事部 -五人の刑事-
「あの不意に思ったんですけど今後、特課部って動きにくくなったりしませんか?」
「胡桃…それは、アルカナにメディアが注目しているからか?」
「はい。リーダーが言っていたようにアルカナ退治って今まで人目につかない場所でやってました。あんな公の場にも出ませんでしたからアルカナって言っても市民はあまりよくわかっていなかったと思うんですけど、あんな大袈裟極まりなくアルカナがメディアに報道されちゃいましたから、見物人が出てきたりカメラが追ってきたりするんじゃないんですか?」
我ながら長々と話したと思う
ちょっと疲れた。水分補給しないと…口の中パサパサ
自分たちはアルカナの恐ろしさを知っているけれど、アルカナの恐ろしさを知らない馬鹿たちが見物してきたら…邪魔としか言えない。
ただ被害が出るだけだ。
「それに関しては大丈夫じゃないかな?アルカナの探知出来るのは此処だけだから外にバレる事態にはならないと思うよ」
「康くん、私が言いたいのはアルカナを面白半分で見たがる人が現れるんじゃないかって事です。今回の報道のせいで顔とかバレてますし」
「それで怪我しても自業自得って僕は思うよ?アルカナの危険性は世間では知られてるはずだから」
地球を滅ぼすかもしれないとも言われているアルカナ。でも…それでも今回のことで変わってしまう事が多いはず。
「私は被害を出したくないだけです。アルカナに適応しない人がどうなるか…康くんだってわかってるはずです」
大介のように…消えてしまう。
綺麗に、そして残酷に。