特別課外刑事部 -五人の刑事-
「あの、康くん…」
「なに?」
「康くんって煙草吸うんですね」
「あれ?スルー?怒ってないの?」
「複雑な気持ちにはなりましたけど康くんには助けられましたから」
「そっか。胡桃は優しいね…。あと煙草は久しぶりに吸うかな?」
「久しぶり?」
ということは、胡桃が特課部に入る前は吸っていたという事になる。そうだったら胡桃が知らなくて当然だ。
「半年前に止めてたんだけど…つい」
「止めてたって…何もったいない事してるんですか!」
肺が綺麗になっている途中に、また肺を黒く染めてしまうニコチンを…
「んー。ヤケ?」
「なんでヤケになるんですか…」
「胡桃を傷つけたから」
「勝手に私のせいにしないで下さい」
「優しいんだか棘があるだか、ほんとわからないよ胡桃」
あはは…って笑って誤魔化そうとしているけれど、胡桃を傷つけたからってあの発言のことしかない。
自傷行為はやめてほしい。
「僕は胡桃が気に入ってるんだ」
「あ、ありがとうございます」
「……………」
「……………」
「胡桃って、鈍い?」
「は!?」
いきなり何!?
「ねぇ、胡桃にとって僕は何?」
「何なんですか、いきなり」
「いいから言って」