特別課外刑事部 -五人の刑事-
「まぁ仮面の事は置いといて」
((((置いとくなよ!!))))
「いやはや、君達が通信機を睡眠の時も付けていてくれて助かったよ」
いきなり本題話し出すし
ボスって、空気読めない人?
「君達、この頃きちんと睡眠をとれているかい?寧ろ取りすぎてないかい?」
仮面越しでそんな事を言われてもなんとも思わないのだが…睡眠は確かに取れているのは事実で、取りすぎてる感覚は無いけれど…
あ、爺やに起こされないと起きれなくなってきてるかも
「仕事で疲れてるからぁ、学業と両立してるからぁとか理由にはならないよ?君達はこの頃、睡眠を取りすぎているんだよ」
「何で僕達の睡眠時間を把握してるんですか?」
康くんの言う通り。
リーダーは仮眠室で暮らしているみたいな感じだけど、胡桃や秀星くん、康くんに菜々子さんは此処で暮らしているわけでもないのに…
「それは君達が付けている通信機が、この研究室のモニターに繋がっているからだよ」
はい??
「アルカナと戦える適正があるからこそ健康には誰よりも気にかけなければならない。アルカナを倒せる拳銃を使ってるしアルカナに接触するからね。まぁ君達が寝ている時も”それ”を付けていてくれて助かってるよ」
付けてる理由は外したら何処かに無くしちゃうかもしれないし、いつでも出動できるために付けているだけなんだけど…まさか睡眠時間をボスに知られていたなんて。
「私は嫌な予感がしてね。だから君達を呼んだんだよ。本来なら研究室には特課部を立ち上げた彼と私しか立ち入り禁止のはずだからね。あ、ちなみにこの研究室には直通エレベーターがあるから君達に今まで見つからなかったんだ」
だから、今まで知らなかったんだ
じゃなくて!!
「嫌な予感って何ですか?」
その”嫌な予感”が何なのかわからないと、どうしようもできないんだけど
「胡桃くん、君はアルカナについてどれほど詳しいかね?」
「え?」
「たとえば、月のアルカナ。このアルカナは何を意味している?」
「確か、隠れた敵・幻想・欺瞞・失敗…だったような」
「よろしい!月のアルカナは逆位置だと問題は無いのだが正位置だと大問題なのはわかるかい?」
「正位置は…」
えーと、何だっけ?
「不安定、幻惑、現実逃避、潜在する危険、幻滅、猶予ない選択、洗脳、トラウマ、フラッシュバックだよ…胡桃」
「あ、ありがとう…ございます…康くん」
あぁー!何か素直になれない!!
どうして片言??
「胡桃、どうした?」
康くんは顔を覗き込んできたけど
「な、何でもないです!」
と言って康くんから離れた。