特別課外刑事部 -五人の刑事-


「いやはや、若いのは良いね」


仮面越しだから、どんな表情しながら言ってるかわからないからこそ…ムカつく!!


「ボス…まさか」


「さすがは伸明くん。やはり君はリーダーに相応しい」


またまた、いきなり本題ですか…


「もう動き出しているかもしれないんだよ。月のアルカナがね」


「しかしアルカナの反応は本部のモニターには出てません」


「菜々子くん、私は先程から睡眠について話しているだろ?何故だかわかるかい?」


「…!……私達が眠っている時にアルカナが現れているというのですか?」


「正しくは君達の夢の中だ」


夢の…中。


「君達はこの頃懐かしい夢を見たり辛い過去の夢を見たりはしていないかい?」


みんなは顔を見合わせた。


身に覚えがあるのか誰も口を開こうとはしない。


「……大介」


だけど、私は口にした。


「大介って胡桃の幼馴染みじゃ」


「そうだよ、秀星くん」


確かにこの頃、夢に大介が出てくる事が多いのは事実だけど…まさかアルカナが関係しているなんて


「夢の中に現れるアルカナ…それが月のアルカナの可能性が高い。君達の睡眠…つまりレム睡眠とノンレム睡眠のバランスが取れていない理由をアルカナが原因だと考え私は君達に直接伝えようと、呼んだのだ」


「そんじゃあ、オレ達は寝るなって事っすか?」


「いいや違うよ秀星くん。夢に惑わされないでほしい…と言いたいのだ。夢はコントロールしにくい厄介な代物だからね」


夢は、自由

夢を夢と理解するのは難しい。


夢から現実に戻る方法なんてよくわからないし


「どうか気をつけてほしい。夢の中だからこそモニターには反応しないんだ」


夢の中にアルカナ…

厄介すぎる

< 75 / 93 >

この作品をシェア

pagetop