特別課外刑事部 -五人の刑事-


「その後、アルカナによる被害は無いって連絡がボスからありました」


菜々子の口から出た名前、ボスとは名前の通りリーダーよりも偉い人で年齢性別不詳。


つまり誰も会った事が無い。


いつも通信だけでしかボスの声は聞けない。胡桃曰く良い声だそうだ。



「すみません、今日体育があって汗かいているのでシャワー浴びてから仕事します」


ここには入浴室がある。


というか何でもあったりする。


喫煙室もあれば自動販売機もある。


リーダーはいつでも戦闘に出陣できるように仮眠室で毎日過ごしている。まるで仮眠室がリーダーの住まいかのように。


だから三十路になっても結婚どころか彼女もできないと胡桃は思っているが実は気にしているらしく、康とお酒を呑んだ時に呑み過ぎて酔っぱらったリーダーは、その酔った勢いで彼女がほしい!と叫んだらしい。


当の本人は覚えていないようだが同席していた康と菜々子は覚えている。


完全なる黒歴史だ。


他言できないと思いつつも二人はリーダーの黒歴史に値するかもしれない出来事を共有してもらうために胡桃と秀星に話したのだ。


つまりいい迷惑。


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