特別課外刑事部 -五人の刑事-
「…始めは意味わかんないって思ったんですけど、大介、真剣だったから。それに」
苦笑いをする湊くん
そしてため息をついたあとまた口を開き話し始めた
「大介が亡くなる数週間前から大介の様子がおかしかったんです」
「え、おかしかった?」
「俺と大介は学校が違うから学校で何かあっ他のかと思ったんですけど大介は何も言わなくて…ただ右腕を痛めている事はわかりました」
右腕…確かに痛めていた。
そしてアルカナに同化され私に攻撃してきたのは右腕だった。
きっとアルカナが右腕に侵食していたから大介自身が抑えていたのかもしれないジブの意思で。
私に相談もなく。
「それと、穏和な大介がちょっとした事でキレたこともあるんです。どう見てもおかしいしのに大介は答えてくれませんでした。でも、だからこそ黒猫を受け取ったんです…こいつ居なくなるかもって。勘ですけど」
「そう、ですか…」
私は何も気づかなかった。
特課部に入ってから会う回数は減ったのが原因だけど、こんなの言い訳にしかならない。
ちょっとした事でキレたことに関しては攻撃性の高いに戦車のアルカナにその時にはもう同化されていたからだ。
「…そしたら、その日に大介は水難事故で亡くなって遺体すら見つからない…納得できませんよ。海がないこの都市のどこで水難事故に遭うんですか?俺と離れてからそんなに時間は経ってなかったですし」
「そうですね。そう…思いますよね」
これは本当に誤魔化しはきかない
「大介の親に聞いても水難事故って一点張りでネットで調べても何も詳しくわからない」
「湊くん、どうしてそこまで…」
そこまでして大介の死の真相を知ろうとするの?
大切な友達だから?
「…俺は過去にダチを亡くしてます」
「っえ」
「…そしてまた亡くなった。真実を知りたいのは当たり前じゃないですか。知らない方が身のためとか…俺は関係ない」
「湊くん…」
真剣なんだ。
きっと彼は引き下がる事はない。