特別課外刑事部 -五人の刑事-
そう、月のアルカナ
大介なんかじゃない!!
アルカナが見せてる幻想
「へぇ、だから撃つんだ…」
見下したような低い声。
今まで大介から聞いた事のない声
「…そうよ」
「ここでしか僕にはもう会う事は出来ないのに僕を撃つんだ。僕を撃ったら二度と会えないよ」
「馬鹿にしないで!!」
瞳が金色に染まる大介に私はザインの標準を定めた
「過去の人は今の人が憶えていたら消える事はけしてない!人間を甘く見ない事ね!!」
私は躊躇わない。
これ以上、大介がアルカナに利用されるなんてごめんよ。
私は静かに眠ってほしいだけ。
「抗うんだね、胡桃」
「抗うわ。これから先も」
アルカナは全部倒す!!
「じゃあ、何で泣いてるの?」
「…え?」
私は左手で頬に触れた
確かに濡れている
私、いつの間に泣いていたの?
「本当は僕を撃ちたくはない。アルカナは憎いけどね。あの時のように……”アルカナなんか…アルカナなんか!!…っ…アルカナなんか!!”ってね」
「うるさい!!」
確かにアルカナは許せない
大介に同化して被害を出した
なんでそんな事を…今…。
「どうして僕が…廣瀬大介が同化されたかわかる?」
「…っ…え?」
大介が同化されたのは偶然じゃなくて理由があるって言うの?
「特課部のメンバーなら誰でも良かったんだよ。特課部のメンバーが大切にしている人なら誰でも…これは復讐なんだよ胡桃。僕たちの仲間を倒してきた君達への復讐」
震えながらも私は目の前にいる大介…いやアルカナに拳銃を構えた。
「復讐なんて、どうでもいい」
これ以上、大切な幼馴染みの大介の名前を出さないで!!
「大介は関係ない!」