特別課外刑事部 -五人の刑事-


ーーーーーーー
ーーー


「………あれ……」


眼を覚ますと私は研究室ではない場所にいる事を理解した。


ここは、仮眠室?


「あ、良かった…眼が覚めたんだね」


「…康くん」


起き上がり周りわ見渡すと康くんが側にいてくれていて吃驚した。


どうして康くんが仮眠室に?


「胡桃ったらなかなか目を覚まさないからみんな心配してたよ?」


「…え……そんなに長く?」


「…そう……まぁ、嘘だけど」


「へ?」


「朝だよ。胡桃はアルカナとの戦いが終わった後そのまま寝ていたんだよ。脳波には異常はなかったみい。今は朝…ちょうど目覚めどき」


「康くん…」


また心配かけたと思ったのに嘘つくなんて、とんだ意地悪だ。


胡桃は頬を膨らませ康を睨む。


「はいはい可愛いだけだから怖くないよ」


「か、可愛くなんかありません!」


咄嗟に目を逸らした。

やっぱりドキドキする。

この不整脈は一体なんたんだ!!


「というか、どうして康くんが仮眠室にいるんですか?」


よく仮眠室で寝泊まりしているリーダーがいるのは納得できるけれど何故に康くん?


「そんなの決まってるだろ?」


目を逸らそうとする私の顔をしっかり掴んで、康くんは私と目を合わせた。


「胡桃が心配だからだよ」


「…康くん」


「だから僕とデートしようか」


「はい?」


何でいきなりデート??

恋愛経験値低いから意味わからない。


「僕、気付いたからさ…胡桃が好きだってことに」


「こ、康くん…」


「もちろん、今まで心配かけてきた胡桃には拒否権ないけどね」


えーーー!!!

と、叫ぼうとしたら口を塞がれた。


キ、キスー!?


こ、これって…あの日の…

愛のアルカナ以来のキスー!!


「ファーストキスも僕が奪ったみたいだし問題ないよね」


「問題ありますよー!!」


だけど、気づいた

この不整脈の意味を。


胡桃も康が好きなんだってことを。


大介の事も、もちろん好きだけど康とは違った意味で好きなんだ。


「康くん…」


「ん?」


「私も好きですよ」

< 90 / 93 >

この作品をシェア

pagetop