お金持ちなんて大嫌い!
そもそもこんなビンボー人の芋くさいやつなんて連れてきて、俺はどうかしてたんじゃないかとさえ思う。


でも、今日のドレス姿はいつもと違って、正直、ちょっと可愛いとさえ思ってしまった。


って、俺どうかしてるな。


俺も酔っ払っちまったかな、なんて。


酒なんて飲んでねーけど。


とりあえずコイツを。


「おい、起きろよ。帰んぞ」


アイツの頬をペチペチと叩いたけど、


「えー?そんなに食べらんないよー」


コイツ……食いモンの夢でも見てんのか?


そう寝言を言いながら、テーブルに突っ伏してるアイツに俺はため息しかでなかった。




< 110 / 181 >

この作品をシェア

pagetop