お金持ちなんて大嫌い!
「重っ」


って言うほど、重くはないけれど、一応言ってみた。


俺はとりあえずコイツをおぶって会場を後にした。


エレベーターのボタンを早く来いと苛立ちながら何度も連打する。


何で俺様がこんなヤツの介抱をしなきゃなんねーんだよ、ったく。


それにしても。


夢の世界に入っているコイツからなんかフワッといい香りがする。


香水とかじゃなくて、たぶんコイツの。


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