お金持ちなんて大嫌い!
その声の方へ目線をやると、ドア付近の壁に背中を預ける桐谷の姿があった。


「な、な、なんでアンタがいんの!?」


私は胸元の布団をギュッと掴む。


「なんでって俺んちだからに決まってんだろ」


「え!?ここアンタんちなの?」


「お前が酔い潰れてるから連れて帰ってやったんだろうが。感謝しろよ」


そう言えば、ズキズキとして頭が少し痛い。


私、お酒なんて飲んでしまったんだ。
※未成年の飲酒は禁止されています。


だったらもしかして、昨日九条と。


……綾乃さんと会ったのも夢だったのではないかと思った。


思い、たかった。




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