お金持ちなんて大嫌い!
「……ありがとう」


「あ?」


私が出した声はあまりにもか細くて聞こえてなかったようで。


「だ、だから、ありがとうって言ったの」


「お、おう……」


少し無言の時が流れた。


微妙に気まずいこの空気。


どうし「あのよ……」


桐谷が喋り出した。


「お前ってもしかして……」


「え……」


まさか桐谷、何か気づいた?


私が九条のこと、好き、だってこととか……どうしよう。




「俺のこと、好きなの?」


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