お金持ちなんて大嫌い!
九条……


あの時、一目散に綾乃さんのこと心配してた。


身体が弱いっていうのもあるかもしれないけれど、たぶん、それ以上に。


綾乃さんのこと、好き、なんだな…


って、そう、感じた。


私のことなんて、見向きもしなかった。


しばらく歩いているといつもの路地にきた。


そういえば猫ちゃん!


この雨の中、どうしてるんだろう。


私の足はまた吸い込まれるようにあの路地へと進んでいった。


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