お金持ちなんて大嫌い!
するとエントランスのドアは開き、七海くんの後に続いて先ほど同様ソワソワしながら私も入っていった。


そしてすぐそばにあったエレベーターに乗り込む。


「ちなみに海翔はここで一人で暮らしてるよ」


「え?そうなの?」


「両親は海外の仕事で忙しくてほとんど家にいないみたいでさ」


「そうなんだ……」


知らなかった。


私って気づけば九条のこと、本当に何にも知らないんだな。


そんなんでよく好きとか言えたもんだよね。


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