お金持ちなんて大嫌い!
いきなり背中越しにフルネームを呼ばれ、肩をビクッと震わせた。


ゆっくり桐谷のいる方へ振り向くと彼は妖しげに口角を上げながら語り出す。


「公立中学から推薦にて桐谷学園高等学校へ入学、現在高校1年生の15歳。幼い頃に母を亡くし、今は父親と2人でひっそりと家賃6万円の社宅にて暮らしている」


「な、なんで私の個人情報を……?」


「あ、そうだ、あと処じ…」


"処女"と言い終わる前に私は桐谷の口を押さえつけた。


「なに?一体なんなの?」


「フッ、何ってうちの秘書に調べさせたんだよ。お前のこと。そしたらびっくりだもんな〜」







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