お金持ちなんて大嫌い!
「?」


一体何がびっくりなの?


私はキョトンとした顔で桐谷を見つめた。



「お前の親父、俺の父さんのグループ会社の傘下にある会社で働いてるんだよな?」


「え?」


そうなの?…全然知らなかったんだけど。


「昨日、ブタれたの痛かったなー。俺今まであんなに人に殴られたのって初めてかも」


そういいながら頬をさすり、わざとらしく痛そうなジェスチャーをする桐谷。


「殴ったって…ちょっと叩いただけでしょうよ」


それにアンタは殴られて当然のことをしてたんだから!


と、喉仏まで出かかった言葉をグッと飲み込んだ。



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