お金持ちなんて大嫌い!
そう言って、メガネの奥の瞳が微笑んだ。


ードキッ


だって、あまりにも九条が、優しく微笑むから。


こういうのに免疫のない私の心臓は激しく高鳴る。


「あ、私、そろそろ行かないと!バイトもあるし」


「ん」


とだけ言って、九条の視線はネコの方へと落とす。


「あの……さ、」


「ん?なに?」


「また……ここに来てもいい?」


「……好きにすれば」




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