お金持ちなんて大嫌い!
この、低くてそして冷たい、声。


「九条くん!!」


「何やってんの?って聞いてんだけど」


九条が鋭い目つきで辻峰たちを睨む。


「わ、私たちは別に、ねぇ」


そう言って、目配せをする彼女たち。


「アンタらこの学園からいなくなりたいの?楓に言ったらお前らすぐに退学にさせられると思うけど、それでもいい?」


「わ、私たちは何もしていませんわ。では、桜庭さん、ごきげんよう」


九条の言うことに怖気づいたのか、驚くほどあっさり辻峰たちは去って行った。




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