お金持ちなんて大嫌い!
「あ、九条……あの、ありがと「別にアンタのためやったわけじゃない」


「え……?」


「別にアンタを助けたわけじゃない。ただああいうの好きじゃないだけ。他意はないから」


そう言って、九条は教室の外へと出て行った。


それに付いて私も教室を飛び出した。


「待って!!」


誰もいない廊下で私の大きな声だけが響いてた。


その声に九条も足を止めてくれたようだった。


「それでも……嬉しかった。ありがとう」



九条はこっちを振り返ることはなく、去って行った。





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