夢 ~愛する事を教えてくれた貴方へ~
嫌な気分のまま、目が覚めた。
『変な夢・・・だな。』
トントン
リズムのいい音を立てながら
階段を降りる。
リビングに入り、パンを焼く。
テーブルでは、母さんが泣きつかれて寝ている。
親父は・・・家にはいないようだ。
パンをくわえながら、制服に着替える。
鞄に必要なものをしまいながら、時計を見る。
"7:50"
ちょうどいい時間だ。
そう思いながら
静かに家を出た。
『それにしても・・・あっちぃな。』
太陽を睨みつけながら呟く。
しばらくあるいていると・・・
「くッ・・・くくくくッ」
なんとも言えない程、怪しい声が、電柱の影から聞こえてきた。
『は?』
電柱の影から飛び出してきたのは・・・・・
蒼井 桜。
今、会いたくない人NO.1。
そんな事もおかまいなしに、女は話し出す。
「おはよ~ん。」
『はよ』
「およよ?
そんなんでいいのかい?
もうすぐ学校に着いちゃうぞ~ん」
ついていけないぐらい、テンションが高い。
『お前、毎日何食ってたら
そんなにテンション高くなるわけ』
軽く睨みながら言う。
「はは・・・ッ。
成松慧君・・・それはッ!!!愛の力さッ」
前髪を掻き分けながら奴は答える。
『ふッ』
鼻で笑ってやった。