夢 ~愛する事を教えてくれた貴方へ~

嫌な気分のまま、目が覚めた。

『変な夢・・・だな。』

トントン
リズムのいい音を立てながら
階段を降りる。


リビングに入り、パンを焼く。
テーブルでは、母さんが泣きつかれて寝ている。
親父は・・・家にはいないようだ。

パンをくわえながら、制服に着替える。
鞄に必要なものをしまいながら、時計を見る。

"7:50"

ちょうどいい時間だ。
そう思いながら
静かに家を出た。


『それにしても・・・あっちぃな。』

太陽を睨みつけながら呟く。


しばらくあるいていると・・・


「くッ・・・くくくくッ」

なんとも言えない程、怪しい声が、電柱の影から聞こえてきた。

『は?』

電柱の影から飛び出してきたのは・・・・・


蒼井 桜。


今、会いたくない人NO.1。

そんな事もおかまいなしに、女は話し出す。


「おはよ~ん。」

『はよ』

「およよ?
そんなんでいいのかい?
もうすぐ学校に着いちゃうぞ~ん」

ついていけないぐらい、テンションが高い。

『お前、毎日何食ってたら
そんなにテンション高くなるわけ』

軽く睨みながら言う。

「はは・・・ッ。
成松慧君・・・それはッ!!!愛の力さッ」

前髪を掻き分けながら奴は答える。

『ふッ』

鼻で笑ってやった。
< 15 / 33 >

この作品をシェア

pagetop