夢 ~愛する事を教えてくれた貴方へ~


そうしてる間にHPが始まった。

『ったく、時間の無駄なんだよ』

小さい声で呟いて。

ふと、蒼井を見た。

何か考えているのか、
窓から外を見ている。

一瞬、蒼井を目が合った。

『あ・・・』

俺は、話しかけようとしたけど、
蒼井は困った顔をして、目を逸らされた。

・・・・
なんなんだよ。

「成松君」

小谷さんが話しかけてきた。

『はい?』

「最近さ、桜おかしいよね。
ずっとボーっとしてるんだよ。
前まではうるさかったのにね。」

そう言って蒼井の方をチラッ。と見た。

『はい、そうですよね。
前まではあんなにうるさかったのに』

「ははッ。そうだよね。
あ、桜にはこの話し、秘密ね」

そう言って小谷さんは前を向いた。


ボーっとしていると、後ろから蒼井の声が聞こえた。

「先生、頭が痛いので、保健室行ってきてもいいですか?」

久しぶりに蒼井がおとなしいのが気になったのか、
おばさんは、驚いた顔をして、

「大丈夫!?行ってきなさい。気をつけるのよ」

蒼井は少しだけ笑顔になって、

「はい。」

そう言い残して、教室を出て行った。

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