夢 ~愛する事を教えてくれた貴方へ~
*通じた想い
あたしは、頭が痛いといい、
保健室に向かった。
保健の先生は、
用があるからね。
と言って、保健室を出て行った。
『ん~・・・暇だ~!!』
しかも・・・腹減ったあ。
でも、教室戻るのもなあ・・・。
そう思ったけど、
やっぱり空腹には勝てなくて。
保健室を出て、教室に戻る事にした。
パタパタと廊下を歩く音だけが響く。
階段に差し掛かった時、廊下の奥の方から
声がした。
『ん?』
そう小さく呟いて、声のする方に向かった。
・・・・・
あたしは、言葉を失った。
そこには、萌と成松の姿が―――。
『え・・・?』
「あのね、成松君、
気付いてたと思うんだけど、
あたし・・・成松君の事がね、」
いやだ、いや。
聞きたくない。
逃げ出したかった。
でも、足が動かない。
「好きなんだ。」
成松は、興味のなさそうな顔をしていた。
でも・・萌だって一応可愛いし、
成松でもな・・・。
視線を足元に落とした時、成松の声が聞こえた。
「悪いけど、俺、あんたの事好きじゃない。」
いつもの、成松。
「え?成松君、なんか違うよ?」
萌には、知られたくなかった。
あたしと成松だけの、秘密にしておきたかったのに・・。