夢 ~愛する事を教えてくれた貴方へ~


「中村先生・・・遅れてすみません。」

なんとも言えない程、整った顔をした男の子。

おばさんはというと・・・

「あ、あら成松君、いいのよ。
早く席につきなさい。」

目をハートにしていた・・・。
あ、こいつが成松か。
あたしは・・・あんま好きじゃねぇな。

そんな事を考えていると、

「あの・・・さ。
座らせてくれないかな?」

そう言って成松は微笑んだ。
その笑顔が気に入らなかった。

『ぬ?おめぇさんは誰でやんす?』

ゲームに出てくるキャラの口調で話す。

「・・・あ、俺、成松。
ここの・・・席なんだけど・・・」

困ったように奴は行った。


成松 慧 (ナリマツケイ)
高校1年生、女子からの人気NO,1だとか。


『しかたねぇな・・』

奴を横目で見ながら
あたしは自分の席に戻った。

あたしが席につくと、
今まで静かだった教室は騒がしくなった。

"蒼井さん、いいなあ。"
"だよね!成松君と話せて・・・"
だとか言う声が所々で聞こえる。

(ふ~ん・・・結構人気あるんだ・・・。
あんな奴のどこがいいんだか。)


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