真夜中の訪問者
Ⅲ.約束~亜理紗~

1.涙



私はなんだかショックだった。


なぜか涙が出てくる。


余命が半年であること。


そんなこと、嘘だと思っていたい。


だから、ただ涙を流すしかなかった。


涙を流せば流すほど心が軽くなっていく。


後半年しか生きられないのなら…


残りの人生を生きてやろうと。


そう思った。


だから、私の意思で



変わりたいし、変わることができる。




そう思った。


意志が固まり、時計を見る。


8時。


今日も講義がある。



いつも通り、30分程前に講義室に入った。



座った途端、何かに吸い込まれるような気がした…。



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