真夜中の訪問者
『相楽の名を捨てなさい。そうすることで、ご先祖様に守られると。』
訳は分からないけど母が言うことを実行した。
でも、駄目だった。
だって『棗』が来てしまったから…。
母はおとぎ話の様に話してくれた。
死神と言われる人がいて、その人は『相楽』の『血』が好きだと…。
『相楽』の人間が死ぬ間際にその人達が来ると…。
でもね。
死ぬ間際に来ても、私たちには追い返す力が『相楽』の『血』にはあるって…。
だから私は信じる。
私は昔、そう誓った夢を見たんだ。
そして、今日の出来事は夢であればと願いながら…。
今日、生まれて初めて講義を通じての先生の戯言を聞くことはなかった。
ずっと泥のように眠りこけていたから…