Polaris
「キョンキョンは優しいよね。本当に」
「っ……そんなことない」
「ううん。優しいよ。……だって、こんな俺のために、そうやって涙流してくれてるじゃん。十分優しい」
そういうとこ、好きだなぁ。
小さく、自然に付け足した樹の言葉を私は聞き逃さなかった。そして、それを聞こえないフリなんて、もうしない。
「……まだ、好き?」
「えっ」
「まだ……私のこと、好き?」
真っ直ぐ樹を見る私の瞳。樹は、そんな私の瞳から視線を逸らそうとしたけれど、私はそれを許さなかった。
「……はは、うん。好きだよ」
流石キョンキョン、と言わんばかりにフッと笑った樹は開き直り、私へ真っ直ぐ好きだと伝えた。
嬉しくて、私の瞳からはもっと涙が溢れた。
「どういう言葉で表したらいいのか分からないなぁ……地球上に存在してるどの言葉でも、きっと表せない。そのくらい、本当に好きだよ。そして、きっと……俺の人生で、最後の好きな人になる。キョンキョンは」